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夢に敗れたものが語る場です。それ以上でもそれ以下でもありません。

   
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猫、剥げかけ

このサイトになってからの初めての批評を。
これ読んでたらこんな時間に・・・


読んだ感想を言うなら有川色らしくない感じ。誰に近いかといえば・・・あえて言うなら『Separation』『いま、会いにいきます』市川拓司や『四日間の奇跡』の浅倉卓弥かなぁ・・・
話の雰囲気がそんな感じ。二人の出会いから別れ(とういうか片方の死まで)を書いてく感じ。そして、話は基本的にこの二人のみで進んでいくこと。
あえて、有川色が出ているところは、作家が関係してくることくらいかなぁ・・・

この手のタイプは典型的に日本人が好きなタイプの作品だから売れるとは思うし、俺も好きなんだけど、なんだかなぁ・・・人による感じ。嫌いな人は嫌いっていう種類のもの。

よくもわるくも、キャラの一人一人に独善性が出てるし、いままでの有川にはなかった狂気的な表現もあった。(ここら辺は西尾維新に近い。一ページまるまる同じ単語が繰り返されるとか)狙ってやったんだとは思うけど、らしくない。
女性側のキャラは有川さん自身を、男性側のキャラは旦那さんを投影してるんだろうなってのもわかるし、それ自体は以前の作品にもみられたんだけど、ここにその狂気的な部分が加わってくると少し不安になるかも、たとえば、実生活で何かあったのではないか・・・的な。
まぁ、ファンの邪推にすぎないですけど・・・あとがきもわざとつけなかったのはわかるけど、それに合わせた意図にどこか不気味さを感じてしまう。そもそも、西尾とやってることは一緒でも、その結果として付随する効果は全く別物になってるし。

アマゾンのレビューも見たけど、評価真っ二つになってる・・・
それだけ異色だしなぁ。個人的に手放しに絶賛するのもどうかと思うし、期待外れというのもどうかとは思ったけど。ある種、それだけ有川浩という色とは違う色の作品だってことだね。
こういうパターンは有川さんにやってほしくなかったなぁ。
面白かったし、感動したけど・・・

なんか最近はこういう人多い気が・・・って思ったら、以前に乙一が市川拓司が書きそうな話書いて、市川拓司が乙一が書きそうな話書いてた時期もあったからそうでもないか。でも、西尾さんはもう諦めたからいいけど、有川さんのこのマイナーチェンジはやっぱり、違和感があるなぁ。

あ、アマゾンで人称やら視点がころころ変わるから読みにくいみたいなのはあったけど、俺はあんまり感じなかったなぁ。
ウマいとも思わなかったけど、二人だけの世界をより浮き立たせるために必要な要素だと思うし、混同を避けるために登場人物を必要最低限にとどめる努力はしたとは思う。
あえて言うなら、この話の主人公は『彼と彼女』であるんだろうと思うよ。
完結された一つの世界に生きる二人だからこそ、一人としてとらえるべきだし、そういう狙いもあると思う。

この作品が有川の中でどういう転機になるのか、次の作品が楽しみ。この系統のが増えるのであれば、有川の心の中で大きな問題があるという推測ができるし、いつも通りのラブ甘なものが出るのであれば、一つのエッセンスとしてとらえればいい。その場合、評価が真っ二つになるのも有川の狙い通りみたいなものだから、より物書きとして熟成された有川浩を見ることができるのではないか
それに少し期待してる。

まぁ、普通に面白いから読めばいいと思うよw
こんなこと考えずに読んだ方が楽しいだろうし。

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